バッキングに合わせてアドリブしたいのに、何の音を弾けばいいか分からない。
スケールは覚えたはずなのに、いざ音が鳴り出すと手が止まる。これは才能の問題ではなく、鍵盤のどこに何があるかが見えていないだけです。
この動画では、その「見えない」を埋めるために自作した無料アプリ「KEY LAB」を使った練習法を紹介しています。
「覚えている」と「見えている」は別物
スケールを暗記していても、演奏中には「F ブルースは…えっと…」という変換作業が入ります。この変換に時間がかかるから、テンポに間に合わない。
KEY LAB は、鍵盤の上に「今弾いていい音」を色と度数でリアルタイムに表示します。コードが変われば表示も変わるので、変換作業そのものが消えます。
| 覚えている状態 | 見えている状態 | |
|---|---|---|
| 演奏中にすること | スケール名から音を思い出す | 色のついた鍵を押す |
| かかる時間 | テンポに間に合わない | ほぼゼロ |
| 残るもの | 知識 | 知識+その響きの記憶 |
アプリは松葉杖ではなく、補助輪
「アプリに頼っていたら、ないと弾けなくなるのでは」と心配になるかもしれません。
でも、このアプリが肩代わりしているのは変換作業だけです。弾いているのは自分だし、その響きを聴いているのも自分です。
使うほど依存する道具ではなく、使っている間に乗れるようになる道具です。
色を見て押すうちに、「この響きは気持ちいい」「ここを押すと少し怠い」が蓄積されていきます。これは色が見えていなくても残るものです。
理論を後回しにしていい理由
「道具→耳→理論」という順番が、このアプリのコンセプトです。
逆の順番——先にスケール名と構成音を覚えてから弾く——でも間違いではありません。ただし、感覚がない状態で名前だけ覚えると、それは雑学のまま残ります。演奏中に呼び出せない形で保存されてしまう。
先に響きを体験していれば、理論はすでに知っている感覚に名前をつける作業になります。この順番なら、覚えるのは一瞬です。
子どもが文法を習う前に話せるようになるのと、基本的に同じことです。
練習の進め方
動画ではセッション定番の3曲(Just the Two of Us/Isn't She Lovely/Bags' Groove)を題材にしています。
- KEY LAB を開いて、Just the Two of Us のバッキングを鳴らす
- おすすめスケール表示のまま、色のついた鍵だけを押す。外れないことを耳で確かめる
- 慣れたらブルーノートを足して、響きの変化を聴く
- 表示を音名から度数に切り替える
- テンポを変える、ドリアンなど別のスケールを試す
- 時々、画面を見ずに弾いてみる
4番目の「度数表示に切り替える」が鍵です。音名で覚えるとそのキーだけの知識になりますが、度数ならキーが変わってもそのまま使えます。フラット系のキーになった途端に弾けなくなる方は、ここで抹消できます。
6番目は時々で十分です。見ずに弾いて外れても、それが今の実力だと分かるだけで収穫です。
「理論書を閉じて、まず鍵盤に触ってみてください。」
目次
00:00 オープニング|アドリブは才能じゃない
01:08 KEY LABとは|バッキングに合わせて自由に弾く
01:54 使い方|Just the Two of Us で実演
02:42 おすすめスケールを弾けば外れない(耳で確かめる)
04:13 スケール表示の切り替え(ブルーノート・度数表示)
06:10 テンポ変更・ドリアンなど他スケールを試す
07:44 Isn't She Lovely で応用
09:47 スケール画面でスケール全体を把握
10:40 まとめ|道具→耳→理論の順番
こんな方に見てほしい
- バッキングに合わせてアドリブしたいが、何を弾けばいいか分からない方
- スケールは覚えたのに、実際の演奏につながらない方
- キーが変わると急に弾けなくなる方
- フラット系のキーになると一気に難しく感じる方
- 理論より先に、まず音で感覚をつかみたい方
この動画で学べること
- KEY LAB の基本的な使い方(プレイヤー・おすすめスケール・コード譜)
- 「この色を押せば外れない」を耳で確かめる練習法
- ブルーノートを足して F ブルーススケールの感覚をつかむ方法
- 音名と度数、両方での捉え方
- テンポを変えて、ドリアンなど他スケールも試す方法
- 道具→耳→理論、という上達の順番
ピアノ弾き語り教室では、スケールやアドリブも、知識で終わらせず実際の曲で使えるところまでマンツーマンでお付き合いしています。「セッションに行ってみたい」というご相談も歓迎です。