同じ曲なのに、演奏する人によって全然違う雰囲気に聞こえることがあります。
その正体のひとつが リハモ(リハーモナイズ) です。この記事では、Superfly「愛を込めて花束を」を例に、その考え方と使い方を解説します。
リハモとは
メロディを変えずに、コード進行だけを差し替えるアレンジ技法です。
それだけで、明るくも切なくも、ジャズ風にもできる
歌のメロディはそのままなので、聴き手は「知っている曲」だと認識します。ところが響きの色が違う。懐かしいのに新しいという、カバーの魅力の核心がここにあります。
なぜコードを変えるだけで印象が変わるのか
メロディの1つの音は、複数のコードの構成音になり得るからです。
たとえば「ド」という音。この音は Cメジャーの構成音でもあり、Fメジャーの構成音でもあり、Am7 の構成音でもある。
つまり、同じ「ド」を鳴らしていても、下にどのコードを置くかで、その音の意味が変わるわけです。
- Cを置けば … 安定した「主役の音」
- Fを置けば … 少し浮いた「余韻のある音」
- Am を置けば … 陰りのある響き
メロディは1本しかないのに、その解釈は何通りもある。リハモはこの自由度を使います。
どこを変えるかの判断
やみくもに差し替えても、ただ違和感が出るだけです。狙いどころがあります。
1. 同じ進行が繰り返される箇所
1番と2番で同じコードが続くとき、2回目だけ変える。聴き手の予想を裏切るので効果が大きい。
2. サビへ入る直前
盛り上がりの直前で色を変えると、サビの開放感が増します。
3. 曲の終わり
最後のコードを差し替えるだけで、余韻の質が変わります。すっきり終わるか、含みを残すか。
やりすぎないこと
リハモで一番多い失敗は、変えすぎて原曲が分からなくなることです。
原曲の良さは、そのコード進行があってこそ成立しています。全部変えたら、それはもう別の曲です。
1コーラスの中で2〜3箇所。それくらいが、原曲への敬意を保ちつつ自分の色を出せるバランスだと思います。
練習の進め方
- 好きな曲のコード進行を書き出す
- メロディの音が、他のどのコードにも含まれていないか探す
- 1箇所だけ差し替えて弾いてみる
- 原曲と弾き比べて、違和感がないか確認する
- しっくりきたら残す。合わなければ戻す
4番と5番が大事です。 理屈で「使えるはず」でも、実際に鳴らすと合わないことはよくあります。最後は耳で判断してください。
こんな方におすすめ
- ピアノ弾き語りで、いつものコード進行に変化を加えたい方
- 作曲・編曲を勉強中で、リハーモナイズを学びたい方
- 既存の楽曲に新しい響きを加えてオリジナリティを出したい方
- コード進行の応用や転調のテクニックを理解したい方
どこを変えるか、どう変えるかで無限の選択肢があります。ピアノ弾き語り教室では、生徒さんが弾きたい曲を一緒に分析して、その方の表現に合うリハモを探していきます。