「基本的なメジャーコードやセブンスは押さえられる。でも、なんだかおしゃれに聞こえない」
この段階で止まっている方はとても多いです。そして原因は、知っているコードの数ではありません。 同じコードでも、押さえ方(ボイシング)を変えるだけで響きは劇的に変わります。
濁って聞こえる原因は「音のダブり」
弾き語りでコードが野暮ったく聞こえるとき、たいていこれが起きています。
左手と右手が同じ音を弾いている。
左手でルートを弾き、右手でもルートを含んだ形を押さえる。すると同じ音が重なって、響きが分厚くにごります。音を「たくさん鳴らす」ことと「豊かに響かせる」ことは別物です。
省く音と、足す音
動画ではCM7を例に、具体的な組み立て方を解説しています。
- 省く音 … ルート(1度)と5度
- 足す音 … 9th
ルートは左手が担当しているので、右手で重ねる必要がありません。5度は和音の性格を決めない音なので、抜いても響きが崩れない。空いたスペースに9thを入れると、一気に洗練された色が出ます。
これがいわゆる「937」の考え方です。9th・3rd・7th、この3つだけで和音が成立します。
3rdと7thが和音の顔
なぜ1度と5度を省いていいのか。理由を知っておくと応用が効きます。
コードの性格を決めているのは 3rd と 7th だからです。
- 3rd … 明るいか暗いか(メジャーかマイナーか)を決める
- 7th … どこへ進みたがっているかを決める
この2つさえ鳴っていれば、コードは正しく聞こえます。逆に言えば、この2つを触ると別のコードになる。
動画で紹介されている「メジャーセブンスをマイナーセブンスに変えるには、右手の3rdと7thを半音下げるだけ」というテクニックは、まさにこの原理です。指を大きく動かさずにコードの性格だけを変えられるので、実際の演奏で非常に使えます。
半音ずつ上げて、形を体に入れる
理屈が分かっても、とっさに押さえられなければ意味がありません。
動画ではクロマティック練習を勧めています。CM7の形を作ったら、そのまま半音ずつ上げていく。C → C# → D → …と12キー分。
形は変わりません。位置が動くだけです。これを繰り返すと、頭で考えなくても手が形を覚えます。
実際の進行に入れてみる
最後は曲の中での使い方です。
たとえば「C → G → Am」という、どこにでもある進行。この Am を Am7 にしてボイシングを変えるだけで、雰囲気が一変します。
動画では F-G-Am7、A♭-B♭-Cm7 といった実践的な進行で試しています。練習用のコードではなく、実際に弾く進行の中でやるのが定着の近道です。
目次
00:00 オープニング
00:15 概要説明
01:11 CM7をお洒落に弾く場合
03:29 構成音解説
04:47 ピアノで実際に弾いてみる
06:06 CM7-FM7
07:19 色々なコードで応用する
10:33 m7をお洒落に弾く場合
12:49 F-G-Am7
13:28 A♭-B♭-Cm7
14:28 まとめ
この動画で扱う内容
- 左手と右手の役割の違いを理解する — 同じ音を弾くと響きが濁る。省略すべき音と、追加するとおしゃれになる音のルール
- メジャーセブンスのボイシング — ルートや5度を省略し、9thを加えてスッキリした響きを作る
- 他のコードへの応用 — FM7、A♭M7 など、同じ形を他のコードに当てはめる
- クロマティック練習 — 半音ずつ上げて、どのキーでもスムーズに押さえられるようにする
- マイナーセブンスへの変換 — 右手の3rdと7thを半音下げるだけ
- 実際の曲での応用 — C → G → Am の Am をおしゃれにする
- 実践エクササイズ — 937のボイシングを瞬時に押さえるための練習法
こんな方におすすめ
- ピアノのコードは理解しているが、より深い知識を身につけたい方
- 弾き語りの伴奏をもっと洗練された響きにしたい方
- 楽譜通りではなく、自分なりのアレンジを加えられるようになりたい方
- ジャズやポップスのような「かっこいいコードの響き」を取り入れたい方
- 作曲や編曲に役立つボイシングテクニックを学びたい方
同じ理屈でも、曲調や歌の音域によって最適な形は変わります。ピアノ弾き語り教室では、実際に弾きたい曲に合わせてボイシングを一緒に組み立てていきます。