ダイアトニックでコードは付けられるようになった。でも、どうしても素朴な響きから抜け出せない。
この段階で多くの方が、add9 や m6 といった「おしゃれなコード」を探し始めます。順番としては、それが少し早い。
「おしゃれ」は、土台 → つなぎ目 → 色の順で作る
おしゃれに聴こえる進行は、実は3つの層でできています。そして下の層から順に積む必要があります。
| 層 | 使う手法 | 何が変わるか |
|---|---|---|
| ① 土台を作る | ダイアトニックコード | 曲として成立する |
| ② つなぎ目を直す | slashコード・経過コード・ベースライン | 進行が途切れず流れる |
| ③ 色を足す | add9・m6・ボイシング | 機能はそのままで響きが変わる |
③から始めると、必ず濁ります。土台が決まっていない状態で色だけ足しても、何に対して足しているのかが自分で分からないからです。
②を飛ばしている人が一番多い
実際のところ、①はできていて③に手を出す方が大半です。抜けているのは②、つなぎ目の処理です。
分かりやすいのがベースラインです。付けたコードのベース音だけを取り出して、順に書き出してみてください。
ド → ラ → ファ → ソ
こんなふうに跳んでいたら、そこが直せる箇所です。たとえば C から Am へ行く途中に C/B を挟むと、ベースは ド → シ → ラ と歩きます。上の和音はほとんど変わっていないのに、下だけが階段になる。
slashコードや経過コードは、その跳びを階段に変えるための道具です。
slashコードを「おしゃれな響きのコード」だと思っていると使いどころが分かりませんが、ベースラインを滑らかにする道具だと分かれば、どこで使うかは自分で判断できます。
add9 や m6 は、足すのではなく差し替える
③の段階についても、誤解しやすい点があります。
add9 や m6 は音を「足す」操作に見えますが、効いているのはコードの役割を変えずに色だけ変えていることです。C を Cadd9 にしても、その小節が担う機能は変わりません。変わるのは響きの表情だけ。
だから、全部のコードでやる必要はありません。1曲に1〜2か所で十分です。全部おしゃれにすると、どこが聴かせどころなのか分からなくなります。
練習の進め方
- 好きな曲のメロディに、ダイアトニックだけでコードを付ける
- ベース音だけを並べて書き出し、跳んでいる箇所を探す
- 跳びのある所に slashコードか経過コードを1つ入れて、階段にする
- 1〜2か所だけ add9 や m6 に差し替える
- 最初のバージョンと弾き比べる
5番目が一番大事です。動画の最後もビフォー・アフター比較になっていますが、これを自分の演奏でやらないと、変えた効果が身につきません。良くなったのか、ただ複雑になっただけなのか。判断できるのは自分の耳だけです。
「おしゃれなコードを探す前に、いま付けたコードのベース音を書き出してみてください。」
目次
00:00 オープニング|おしゃれなコード付けとは?
00:40 まずは自分でコードを付けてみる
02:30 ダイアトニックコードで土台を作る
04:40 おしゃれなコードへ発展させる方法
08:30 ビフォー・アフター比較とまとめ
こんな方に見てほしい
- おしゃれなコード進行を作れるようになりたい方
- 作曲やアレンジの幅を広げたい方
- メロディに合うコードを自分で付けたい方
- コード理論を実践で活かしたい方
- プロのような響きを作れるようになりたい方
この動画で学べること
- 自分でコード付けを始める考え方
- ダイアトニックコードで土台を作る方法
- ベースラインを滑らかにつなぐコツ
- slashコード・add9・m6・経過コードの活用法
- メロディを活かすボイシングの考え方
ピアノ弾き語り教室では、コード付け・アレンジ・ボイシングまで、実際に弾いていただきながら一緒に組み立てていきます。「ここまでは作れたけれど、あと一歩おしゃれにしたい」というご相談も歓迎です。