転調を使いこなせると、作曲の幅は一気に広がります。
とはいえ、理論書で「転調にはこういう種類がある」と読んでも、実際にどう使えばいいのか分かりません。この記事では、ビートルズの実際の楽曲を通して転調のパターンを見ていきます。
なぜビートルズなのか
理由は明確です。転調のパターンが網羅されているうえに、誰もが曲を知っているからです。
理論の学習でいちばん効率が良いのは、知っている曲の中に現象を見つけることです。初めて聴く曲で「ここが転調です」と言われても実感が湧きませんが、口ずさめる曲なら「確かにここで景色が変わる」と体で分かります。
5つの実例
動画では、転調の方向ごとに代表曲を挙げています。
| 転調の種類 | 楽曲 |
|---|---|
| 同主調転調 | Norwegian Wood(ノルウェーの森) |
| 4度上転調 | I Want to Hold Your Hand |
| 5度上転調 | Help! |
| 6度上転調 | Something |
| 全音下転調 | Blackbird |
方向によって効果が変わる
ここが今回いちばん大事なところです。
同主調転調(メジャー ⇄ マイナー)は、キーの中心はそのままで、明暗だけが入れ替わります。同じ場所にいるのに、光の当たり方が変わる感じ。物語の視点が変わる場面によく合います。
4度上・5度上は、最も自然に聞こえる移動です。もともと近い関係にあるキーなので、違和感なくスライドする。曲の展開部で使われることが多い。
6度上は距離が離れているぶん、はっきりと「変わった」と分かります。 印象的な効果が欲しい場面向き。
全音下は、下がるので落ち着く方向に働きます。上げて盛り上げるのとは逆の、沈み込むような効果です。
転調は「盛り上げるための技術」ではありません。 方向を選ぶことで、上げることも下げることもできる。ここを理解すると、使い方の幅が変わります。
つなぎ方が本体
転調で難しいのは、行き先を決めることよりどうやって渡るかです。
唐突にキーが変わると、聴き手は置いていかれます。動画ではギターとピアノの両方を使いながら、実際の音の流れを追っています。
橋渡しになるコードがどこに置かれているか。そこを聴き取るのが、転調を自分のものにする近道です。
練習の進め方
- 挙げられている5曲を、転調の瞬間に注意しながら聴く
- 「今どっちに動いたか」(上がったか下がったか)を当てる
- その手前にどんなコードがあったかを確認する
- 自分の曲やアレンジで、1つだけ真似してみる
- 他の曲を聴いていて転調に気づいたら、種類を判定してみる
5番が習慣になると、耳が勝手に育ちます。 転調は日常的に聴いている曲の中に大量にあるので、教材には困りません。
目次
00:00 オープニング
00:20 2種類の転調について
02:10 同主調転調 Norwegian Wood
03:22 ギターで説明
05:40 4度上転調 I Want to Hold Your Hand
06:16 ピアノで流れを確認
08:54 5度上転調 Help!
10:25 ターフレーズ解説
13:02 6度上の転調 Something
13:55 全音下の転調 Blackbird
18:02 まとめ
こんな方におすすめ
- 作曲の引き出しを増やしたい方
- 転調の仕組みを実例で理解したい方
- ビートルズの楽曲を音楽的に読み解きたい方
- アレンジで曲の展開に変化をつけたい方
ピアノ弾き語り教室では、生徒さんが好きな曲を題材にして、その中で使われている技法を読み解いていきます。作詞作曲のレッスンも行っています。