「コード進行がいつも同じ感じになってしまう」
その原因は、キーの中の7つのコードだけで曲を作っていることにあります。セカンダリードミナントは、そこに外部からの緊張感を持ち込む技法です。
この記事では、基本から実際の楽曲での使われ方までを整理します。
まず「ドミナント」を確認する
Cメジャーキーで G7 が出てくると、次に C へ行きたくなります。これがドミナントの働きです。
引っ張る力、と考えてください。G7 という和音には、Cへ帰りたがる性質が組み込まれています。
セカンダリードミナントは、この仕組みをキーの中の他のコードに対しても使うという発想です。
結果、そのコードへの到着感が劇的に強まる
Key=C で使える5つ
覚えるのはこれだけです。
| コード | 解決先 | 数字表記 |
|---|---|---|
| C7 | F | 5 of 4 |
| D7 | G | 5 of 5 |
| E7 | Am | 5 of 6 |
| A7 | Dm | 5 of 2 |
| B7 | Em | 5 of 3 |
見方はシンプルで、「解決先のコードから見た5番目」を作っているだけです。Fから見た5はC。だからFの前にC7を置く。
この「5 of ○」という表記を使うと、進行の構造が一気に見えるようになります。
実例1:「TRUE LOVE」の C7
藤井フミヤさんの「TRUE LOVE」では、Fへ向かう直前に C7 が挿入されています。
Cメジャーキーの中で、Cは本来「安定の和音」です。ところが7thを足して C7 にすると、安定していたコードが急に動きたがる。その勢いのままFへ着地します。
たった1音足しただけで、進行に推進力が生まれる。これがセカンダリードミナントの威力です。
実例2:「Imagine」の“解決しない”E7
ここからが面白いところです。
ジョン・レノンの「Imagine」では、サビで E7 が使われます。ルール通りなら Am へ解決するはずです。ところが実際には F へ進みます。
期待された着地点に行かない。すると聴き手の中に、宙に浮いたような感覚が残ります。
「Imagine」は、まだ実現していない世界を歌う曲です。確定しない、宙吊りのままの響きが、歌詞の内容と一致している。理論の選択がそのまま表現になっている好例です。
理論を「使う」段階へ
この2つの例が示しているのは、ルールを守ることと、あえて破ることの両方に意味があるということです。
- ルール通りに解決させる → 進行に力強さと納得感が出る
- あえて解決させない → 予測不可能性、余韻、ねじれが生まれる
どちらが正しいという話ではありません。曲で何を伝えたいかで選ぶ。ここまで来ると、理論は制約ではなく道具になります。
練習の進め方
- Key=C の5つのセカンダリードミナントを、押さえられるようにする
- 「C - F」のような単純な進行に C7 を挟んで、変化を耳で確認する
- 好きな曲の譜面を見て、セカンダリードミナントを探す
- 見つけたら「5 of 何か」を判定する
- 自分の曲やアレンジで、意図的に使ってみる
3番と4番は楽曲分析の第一歩です。慣れてくると、聴いただけで「今のはセカンダリードミナントだ」と分かるようになります。
目次
00:00 オープニング
00:14 セカンダリードミナントの定義
00:28 通常のドミナント
01:10 Key=C 5つのセカンダリードミナント
03:10 TRUE LOVEでの使用例
04:52 コード分析方法
06:27 解決しないパターン
10:46 まとめ
こんな方におすすめ
- 作曲やアレンジをレベルアップしたい方
- コード進行のマンネリを打破したい方
- 音楽理論を実践的に活かしたい方
- ピアノやギターで弾き語りをしている方
- 楽曲分析を深めたい方
教科書で読むだけでは定着しませんが、好きな曲の中に発見すると忘れません。ピアノ弾き語り教室では、生徒さんが持ち込んだ曲を一緒に分析しながら、理論と実践をつなげていきます。