「F7一発で」と言われて、手が止まったことはありませんか。
コードが変わらないということは、進行に頑張ってもらえないということです。何を弾いても同じ和音なので、差が出るのはひとえに音の選び方と配置だけになります。
動画で紹介されるのは、たった5音です。
5つの音の内訳
左手に3音、右手に2音。これを度数で並べ直すと、2種類の役割にきれいに分かれます。
| 音 | 度数 | 役割 |
|---|---|---|
| E♭ | 7th | 骨格 |
| A | 3rd | 骨格 |
| D | 13th | 色 |
| G | 9th | 色 |
| C | 5th | 色 |
下から2つ、E♭(7th)と A(3rd)だけが「F7であること」を決めています。残りの3つは、その上に乗せる色です。
以前ルートレスヴォイシングの記事で「3rd と 7th の2音でコードは成立する」と書きましたが、この5音はその2音に、3つの色を足して両手に広げたものです。新しい考え方ではありません。
覚えるのは「5つの位置」ではなく、骨格+色という内訳のほうです。
地面はベースに預ける
この5音には、ルートの F が入っていません。
理由としてよく言われるのは「ベーシストと音がかぶるから」ですが、効果はそれだけではありません。
ルートが無いと、和音は宙に浮いたままになります。地面をベースに預けてしまうから、ピアノは浮いていられる。これが「カッコよく聞こえる」の中身です。
実際に確かめるのが一番早いです。5音を押さえたあとで、左手の下に F を足してみてください。 同じ和音なのに、重心が下がって地面にべたっとつく感じになるはずです。
一発モノでは、変化を自分で作る
コードが進む曲なら、進行そのものが変化を作ってくれます。でも F7 一発は変わらない。だから変化は自分で作るしかありません。
ここで使えるのが、骨格と色の分け方です。
- 左手(骨格)は固定しておく
- 右手(色)だけを動かす
土台が動かないので、上で何をやっても崩れません。動画の 06:10 からは、この上でマイナーペンタやブルーノートを使った装飾を乗せていく流れになっています。
練習の進め方
- 左手で E♭ → A → D を下から押さえる(7th - 3rd - 13th)
- 右手で G → C を重ねる(9th - 5th)
- そのまま左手の下に F を足して、抜いたときと聴き比べる
- 左手は固定したまま、右手だけを動かしてみる
- 右手に F マイナーペンタで短いフレーズを入れてみる
3番目を必ずやってください。 ルートを抜く理由は、説明を読むより弾き比べた方が1秒で分かります。
「何を弾くか」と同じくらい、「何を弾かないか」が響きを決めています。
目次
00:00 オープニング
00:30 F7基本ボイシング(1-3-5-7)の限界
01:30 ルートレスボイシングの考え方
02:30 左手 7th-3rd-13th の組み立て方
03:30 右手で 9th・5th を重ねる
04:30 アンサンブル比較|基本形 vs ルートレス
06:10 マイナーペンタによる装飾フレーズ
07:47 ブルーノートを活用した応用
09:30 まとめ
こんな方に見てほしい
- セッションで「F7一発」と言われると固まってしまう方
- 1-3-5-7 のベーシックなボイシングから卒業したい方
- ジャズ・ファンク・ゴスペル系の響きを身につけたい方
- ベーシストとの「音のかぶり」を解消したい方
- アンサンブルの中で音を立たせたい方
この動画で学べること
- なぜルート(F)を「弾かない」方がカッコよく響くのか
- 左手のルートレスボイシング(7th-3rd-13th)の作り方
- 右手に 9th と 5th を重ねて立体的な響きを作る方法
- マイナーペンタトニックを使った装飾フレーズ
- ブルーノートを取り入れたアドリブ的アプローチ
ピアノ弾き語り教室では、ボイシングやアドリブを知識で終わらせず、アンサンブルの中で使えるところまでマンツーマンでお付き合いしています。